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LL

John Butcher 近作

 

昨年にその存在を知ってからというもの、自分のリスニングの中で特別な存在となり続けているジョン・ブッチャーの近作を紹介。どれも今年にはいってから手に入れたのですが、調べてみるとどれも2013年作品のようで……素晴らしい出来なので先日の上半期ベストに入れようかとも思いましたが、こちらにまとめておくことにしたいと思います。

 

 

・John Butcher / Leonel Kaplan / Christof Kurzmann『Shortening Distance』

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John Butcher (ts,ss), Leonel Kaplan (tp), Christof Kurzmann (ppooll)

エレクトロニクス入りのためか非常に抽象度の高い演奏。管楽器の二人もまとまったフレーズを発することはあまりなく、漏れ出るような息音や、平板な電子音に同期するような表情を欠いたロングトーンが多用されています。一聴、起伏がなく掴みどころのない印象をもったのですが、聴き込むほどに微細な変化の多様さに気づき、繰り返し耳を傾けていました。15分辺りからの場面転換(?)部における奇妙な電子音がやけに耳に残ります。その後の管楽器の息音中心の絡みもカッコいい!

 

 

・Joachim Badenhorst / John Butcher / Paul Lytton『Nachtigall』

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Joachim Badenhorst (cl,bcl,ts), John Butcher (ts,ss), Paul Lytton (per)

こちらは完全なるアコースティック即興。John Butcher, Paul Lyttonという大物二人の名前に惹かれ購入したのですが、本作で初めて聴いたJoachim Badenhorstも負けず劣らずのいい演奏をしていて(主にクラリネット類を吹いているため聴き間違うことこそありませんが、出音の多用さや演奏に対する姿勢などはジョン・ブッチャーに近い気もします)、他の作品でも聴いてみたいなと…。管楽器二者の繰り出す自在な音に聴き入っているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。胸のすくような快作。

 

 

・Common Objects『Live In Morden Tower』

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John Butcher (sax), Rhodri Davies (Harp), Lee Petterson (Amplified Processes And Device)

それぞれのソロ演奏と、最後に30分の3人による演奏を収録。ノイジーな打音や物音、機械的なロングトーンや息音、そして電子音まで総動員した演奏ですが、場面転換が割合キッチリと行われるので、印象が平坦にならず非常に聴き応えがあります。特にロードリ・デイビスのハープが出す(E-Bowによるものと思われる)ロングトーンや、暴力的な摩擦音などが、各場面に豊かなダイナミクスを与えており、それらの印象的な差異に大きく貢献しているなと。全体通すとノイジーな場面も結構あって、そこが個人的に凄く気に入りました。