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LL

Organ Eye 『Organ Eye』

 

Organ Eye

Organ Eye

 

 

1989年より活動するOsso Exoticoをはじめ、ソロや種々のコラボレーションなど地道な活動を続けるポルトガルのドローン作家デヴィッド・マランハが率いるユニットの2007年作。

 

ドローンと一口に言ってもその表現方法は様々ですが、彼の作風はトニー・コンラッドシャルルマーニュ・パレスタインの直接的な影響が伺える、主にオルガンや弦楽器を用いたものです。(Discogsのプロフィールには、Slowly evolving and minimal electro-acoustic work that focus on harmonics and overtones, using simple variations presented in a ritualist approach. とあります。

 

オルガン・アイは4名からなるユニットですが、うち2名がエレクトロニクスを担当しているためか、本作はマランハのソロ作品と比べノイジーな電子音の主張が強く、前述のドローンの古典的な作家に連なるサイケデリックなチェンバードローンとしてだけでなく、電子音楽としての聴取も可能な仕上がりになっています。

 

話は前後しますが、マランハがキャリアをスタートさせたバンドOsso Exoticoは、その初期においてはCurrent 93やNWWのようなサウンドを志向し、その後90年代中期より生楽器を使用したドローンへ移行したという経緯があるようで、確かに本作『Organ Eye』におけるノイジーさには彼らの参照点のひとつだったであろうアンダーグラウンドなポストパンク特有の陰鬱さや密室感、猥雑さの残り香を嗅ぎ取ることができるようにも思います。

 

 


Organ Eye - YouTube

 

Osso Exoticoのファーストアルバムより。なんだかこれがEntr'acteから再発されても違和感ないような音ですね。


Osso Exótico - The New Stone Age - YouTube

 

 

また、デビッド・マランハ個人の活動に目を移すと彼は近年、Stephan Mathieu(12Kなどからリリースのある、2000年代半ばからのアンビエント/ドローンの隆盛の中でも重要な作家)や、BJNilsen, Andrea Belfi, Simon James PhillipsからなるユニットThe Swifterとの共演作をリリースしており(後者のリリースは近年の電子音楽の動向を追ううえで重要なレーベルEntr'acteから!)、ヨーロッパを拠点にしたその地道な活動は2000年代以降にEditions MegoやTouch、12K、Room 40などの電子音響や実験音楽を扱うレーベルがドローンを多くリリースしたことに少なからず影響を与えていたのではと推測できます。

ドローンやノイズなど、実験的な音楽の要所を押さえたとも言えるその経歴や音楽性は、古典と現代を結ぶ橋渡しとして機能し続けてきたのでしょう。そしてこれからも…。

 


Strings | Crónica