LL

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2015/05/06

 

長いようで短い、短いようで長いゴールデンウィークも今日で終わりですね。

個人的には特に大きな予定のない、ほぼ空といってもいいGWだったので気を紛らわすために、一日一枚デジタル音源をbandcampなどで買う、というちょっとした催しをやってました。

それらの音源は気が向いたら後日まとめて載せようかなと思いますが、今回はその中からちょっとひとつだけとりあげてみようかと。

 

 

・Michael Zerang & The Blue Lights 『Songs from the Big Book of Love』

pinkpalace.bandcamp.com

Mars Williams(as,ts), Dave Rempis(as,ts,bs), Josh Berman(cornet), Kent Kessler(b), Michael Zerang(ds)

 

シカゴを拠点に活動する打楽器奏者マイケル・ゼランの“& The Blue Lights”名義ではおそらく初めての作品(二作が同時にリリースされており、もう一方はこちら)。

参加メンバーはPeter Brotzmann Chicago TentetやKen Vandermarkのグループ(Vandermark 5やResonance Ensembleなどなど)でそれぞれに何度も共演歴のある気心の知れた面子で別段珍しい要素も見当たらず、

なぜにこのタイミングで新たにグループ名を冠して活動し始めたのかはいまいちよくわからないですが、

個人的に好きなマーズ・ウィリアムズとデイヴ・レンピスの2アルト(テナーやバリトンも吹いてるけど基本的にはアルトサックス奏者として認識してる)の名前に惹かれて購入。

この二人といえばVandermark 5の元/現メンバーで、その発足時から在籍していたマーズ・ウィリアムズが抜けた際に、入れ替わるかたちでデイヴ・レンピスが加入という経緯がありますし、お互いの共演者や活動領域にも重なるところは多いと思うのですが、こうやって同じグループでがっつり共演した作品が出るのは意外にも初めてではないかと思います。

面子だけでなく演奏もこれといって新しい要素は感じさせないですが、何より2サックスの競り合いが素晴らしく、サックスがソロをとり始めると演奏全体の体感速度が倍加したような痛快さで、少なくとも私の期待にはバッチリ応えてくれる内容でした。

 

そしてこれが気に入った流れで、サイドマン参加作で何度も耳にはしているもののリーダー作をあまりチェックできていないデイヴ・レンピスについて調べてみたのですが、彼は2013年に自身のレーベル《Aerophonic Records》を立ち上げ非常に早いペースで作品をリリースし、活動を活発化させているようです。

立ち上げから1年半ほどにも関わらず既に8作品がラインナップされていることに加え、その内容についても(試聴音源と参加メンバーからの推測になりますが)骨太なフリージャズからエレクトロニクスとの共演作までと、それぞれの作品がきちんと差異化されていて好印象。レーベルのHPからのみですがデジタルリリースもされているみたいですし、近々利用してみようかなと思うところです。

また、Aerophonic Recordsの全作品のデザインを担当しているのは先日紹介したGrey GhostのメンバーでもあるドラマーのJonathan Crawford。近年目立った演奏活動は行っていない様子の彼ですが、こういったビジュアル面を担当する仕事は多く行っているようで、かたちは変われどシーンに関わり続けていることに嬉しさを感じますし、シカゴという地が育んだ縁の深さを示す一例でなんかいいっすねーこういうの。