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Best of 2015 (50→31)

年間ベストです。今年は50枚選んで順位つけたのですが一気に載せるのは流石に見にくいので何回かに分けます。今回は50位から31位までの20枚を。

画像がYoutubeなど各種試聴へのリンクになっています。

 

 

【50】Gianluca Favaron + Stefano Gentile『Entretien』

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Gianluca Favaronが運営する“13”というレーベルは今年の嬉しい発見のひとつでした。Francisco LopezやCarl Michael von Hausswolffなんかの音源も出してるみたいでこれからも要チェックってことになりそう。今作もその13からで、フォトブック付きの凝った装丁がいい感じ。音のほうは基本的には周期的な音の折り重なりと即興的に挿入される様々な音で成り立ったサウンドスケープ系なんですが、環境音を加工したような音やガサゴソとした物音っぽい電子音、ノイズなどどれもが「この音どうやって作ってるんだろう…」って好奇心を刺激してくる感じで面白く聴けました。サンプルを逆回転してるように聴こえるところや、モジュラーシンセ使った即興で耳にするような感じもある、ような気がするけどよくわからない…。    

 

 

【49】Frank Bretschneider『Isolation』

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Raster-NotonやLINEなんかから多くリリースしてる電子音響の重鎮なんですが、これまでの作品は全然嫌いではないけどそんなにハマらなかったんですよね…。でも今年前述の2つのレーベルから出した二作はどちらもすごく好きで、すごく今更な感じなんですけどやっとこの人の音楽にしっかり没入することができた感じがして嬉しかったです。これはインスタレーション用に作曲されたもので、音も正にそんな感じというか、サイン波とホワイトノイズを主に用いたまぁこの辺の音よく聴く方なら「あーこういう音ね」って思っても不思議じゃないようなものなんですけど、そういったマンネリズムを単純にブラッシュアップされた音の精度や作品のクオリティで真正面から超えようとしてくるっていう、なんか男前な逸品でした。

 

 

【48】Frédéric Nogray, Yannick Dauby『Panotii Auricularis』

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Yannick Daubyは今年いっぱい出してて大活躍だったけど最終的にはこれが一番好きかな。モジュラーシンセと鳥や虫の鳴き声の共演。音数少ないのがいい。自分こういうの好きだなってしみじみと思う音。

 

 

【47】Coppice『Cores/Eruct』

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シカゴの二人組。名前は知ってて気にはなってたんだけどちゃんと聴くのはこれが初めて。だったんだけど無機質な音でたまんね。プリぺアド足踏みオルガンやテープ使ったって書いてあったのでまぁ一応“演奏”の記録とも言えそうだけど、聴いてる分にはまぁ無機質。スティーヴン・コンフォードとか好きな人は是非ご試聴あれ。

 

 

【46】Arca『Mutant』

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正直なところ『Xen』がわかりやすくダイナミックになっただけではって思うところがあるし、適当に作ってるだけにしか聴こえない部分だったり、結構凡庸なエレクトロニカになってしまってるように聴こえる曲だったりもあるんですけど、そういう部分に目を瞑ってしまえるくらい1曲目「Alive」が良すぎる。とかく“奇形”的な扱いをされる作家だしそれに納得いかないわけでも全然ないんですけど、この曲のあまりにストレートに胸に訴えかけてくるような魅力、感動は、音楽聴いて受け取ることのできるあらゆる事象の中でも王道ド真ん中のものであるように感じるんですよね。この曲、一体何考えながら作ったんだろう…めっちゃ気になる…というか願わくば特定の誰か(と生きることや死んでいくこと)を思いながら作った曲であってほしい…。

 

 

【45】OGRE YOU ASSHOLE『workshop』

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これ夜のドライブ中に聴くの本当に最高です。いや、欲を言うなら朝焼けの時間にかかることを見越した時間にやるともっと最高です。ライブに行きたくなるライブ盤。

 

 

【44】dCprG『Franz Kafka's South Amerika』

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dCprG(もといDCPRGもといデートコースなんたらかんたら)と言ったらポリリズム!何分の何拍子?数学的!知的!構造の美学!ポストモダン!ってな感じ(適当です)なのかもしれませんが、このアルバムに関しては私はひたすらギター!ギタァ!!うひょ~かっけーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!って感じです。はいバカです。ニコ生のライブ配信でもモニターの前でバカになってました。ますますこのアルバムが好きになる最高に楽しい配信でした。こちらからは以上です。

 

 

【43】Thomas Brinkmann『What You Hear (Is What You Hear)』

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Mikikiの八木皓平さんの記事にもあるように、ここ数年はミニマル・ミュージックをそれぞれのやり方で消化した音楽がひとつのトレンドになってる感じがあるんですが、そんな中で、というよりそんな流れとは一切関係ない感じで出された一枚。これはもうミニマル・ミュージックという名の音楽というより、ミニマリズムそのものを音に写し取っただけというか、ミニマルであること自体が持つ厳格な美意識以外のものが何もない世界でただ鳴り続けてる音って感じ。ひとつの価値観を中心に据えて作られた作品というとそんなに珍しい感じはしませんが、ここまで徹底してイっちゃってる作品はそうないでしょう…。例えばマイブラのラヴレスの音を理想としてそれをどこまでも追い続ける人がいるように、これが引き金となってある種のシンドロームが起こっても不思議ではないと思わせられるような強力な磁場を持った作品だと思います。

 

 

【42】William BasinskiCascade

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この人の作品で聴くピアノの音がとても好き。

 

 

【41】Frank Bretschneider『Sinn + Form』

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LINEからの『Isolation』も良かったFrank BretschneiderのこちらはRaster-Notonからのリリース。ブックラやサージのモジュラーシンセと戯れた音の記録って感じで、規則性とランダム性が入り交じる音の動きがおもしろかっこいいです。

 

 

【40】Francisco Meirino『Riots』

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リリースも多いし結構いろんな手法で制作する人な印象だけど、今回はタイトル通り“暴動”のフィールドレコーディング/コラージュで、コンセプトの明確さとコンパクトさ(A面B面合わせて20分程度)が前面に出てる感じ。A面なんて本当に暴動の音をコラージュしたただそれだけなんだけど、録音の質感から音素材そのものやその配置に至るまでこの人のセンスがギンギンに出てるし改めて強力な作家性の持ち主だなと思った。カセットの音質にも馴染んだ音楽だと思うしパッケージもカッコよかったし安いしでトータルですごく印象のいいリリースでもありました。

 

 

【39】Oracles『Divination II』

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NYPのインストグライム・コンピ。かっこいい曲多くてクオリティー高いです。

 

 

【38】Spangle call Lilli line『ghost is dead』

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興味を失いかけてたSCLLなんですけど、聴いてみたらすごくよかったし、すぐにいいと思えた自分にちょっとびっくりしたり。

 

 

【37】中島吏英『Four Forms』

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小物や小道具を用いて演奏する英国在住の音楽家のデビューLP。使用する小物などには電池式の駆動部のようなものが取り付けられていて、おそらくそれによってある程度自動的かつ規則的に音を出してるのかなと。カタカタ、コトコトといった規則的でこじんまりとした物音や、散発的に鳴らされる陶器や金属板などその素材の質感がよく感じとれる打音、ジリジリといった古めかしい目覚ましを連想させるような音、ガシャガシャといった濁音での形容が似合うような濁った低い響きなどなど、どれもシステマティックに鳴らされていそうなんだけど、不思議と人がたてる音特有の騒がしさみたいなものが耳障りでない程度に感じられて面白い。

 

 

【36】Le Volume Courbe『I Wish Dee Dee Ramone Was Here With Me』

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12月のある日、ふとこの人の1st『I Killed My Best Friend(2005)』の存在を思い出して聴いておりまして(それにしてもなんてタイトルだ…)、「そういえばこの人今なにしてんだろーなー」なんて思って調べてみたら11月に10年ぶりにセカンド出してやんの。という不思議な巡り合わせもあって若干眼鏡に色の付いた状態でしか聴けなくなってる一枚ですけど、まぁとにかく6曲目「Rusty」を聴いてほしい。1分過ぎた辺りでノイズなギター入ってくるとこ最高だから。鳥肌たつから。いやー自分こういう音でまだ感動できるんだなって心底うれしくなりました。曲単位では今年トップクラスに好きです。

 

 

【35】Russell Haswell『As Sure As Night Follows Day』

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ロウでワルーい音。でも現代的。ズルかっこいい。こちらに感想あります。

 

 

【34】John Wiese『Deviate From Balance』

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凄いんですけど、凄すぎてついて行けないと思ってしまうところが少しあるかな…。通して聴くと重いからアナログのA~D面に分けて聴こうと思うんだけど、『Circle Snare』買ってからはじゃあそっち聴けばいいやってなってしまってこちらを再生することが随分少なくなってしまった。

 

 

【33】Oneohtrix Point Never『Garden Of Delete』

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これについてはツイッターのほうで散々いろいろ言った気がするんですけど、どういう風なこと言ってたかはうまく思い出せない…。よく聴いたし面白いアルバムだと思います。好きな曲は「Mutant Standard」。これは名曲!!

 

 

【32】Jürg Frey『Circles And Landscapes』

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最後に収録された「Extended Circular Music No.9」が好きすぎる。

 

 

【31】Chevel『Blurse』

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LucyのStroboscopic Artefactsから今年唯一のフルレンス。正直このレーベルのイメージにない音で最初は「これアリなのか??」って戸惑い気味だったんですが何回か聴いてたら全然アリになりました(笑) Stroboscopic Artefactsはインダストリアルなど近年のモードはしっかり押さえつつも基本的にはディープテクノのイメージだったんですけど、これは90年代初頭のWARPのAIシリーズ思い起こさせるような曲だったり、グライムの影響が感じられるところも結構あって、なんかUK寄りな作風に思えました。あと音作りもちょっと独特で、例えばレーベルメイトのLucyやDadubなんかの全ての音が混然一体となった感じと比べると、レイヤー感がないというかそれぞれの音が個別に鳴ってる感じが強くて(まぁ単純に音数少ないからってのも大きいと思いますが)、かといって全然バラバラって感じではないんですけど、別々のハード機材から出た音が同時に鳴ってる(だけ)みたいな様子がすぐ頭に浮かぶ感じというか…。どんどん印象論になってしまうんですけど“黎明期のリスニング・テクノの音作りを意識した”とかそんな感じじゃないのかなとか想像してみたり。