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2015年に聴いた旧譜ベスト

2015年に聴いた旧譜の中で、これ好きでよく聴いてたなってものや強く印象に残ってるものをまとめときます。全20作品(絞るの大変だった…)。順位は付けてないですけど思いついたものから順に並べてるので上にあるものほど印象強かったってのはあるかもしれません。

文中の“今年”は2015年のことです。

()内はリリース年。

画像がYoutubeなどの試聴ページへのリンクになっています。

 

 

・Joe Panzner / Greg Stuart『Dystonia Duos』(2013)

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好きなノイズのアルバム?これですよこれ。このふたりは最強なんですよ。Youtubeに上がってる2曲目が好きで何度も聴いててずっと欲しいと思ってたんでFtarriの店頭で見つけた時はその場で小躍りでしたよ。

 

 

・Haptic『Excess of Vision: Unreleased Recordings, 2005-2014』(2014)

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Best of 2014(再考版)でも選んだ通り、これめちゃくちゃハマりました。1曲目はBest of 2015のほうで選んだCarl Michael von Hausswolff『Squared』の1曲目が好きな人にも是非聴いてみてほしい。そちらと比べると主体となるドローン以外の装飾的な音の比重が割合高くてインダストリアル感が強めですが、それらの音からも常に持続への意識のようなものが感じられるので個人的には結構近い感覚で聴いてます。2曲目も構成はやや異なりますが(1曲目は徐々に音が足されていくのに対し、2曲目は音楽を構成する各音がほぼ鳴りっぱなしの状態で序盤から提示される)、同じ感覚で聴けるので、未リリースの音源をまとめたものとは思えないほどトータルで統一感のある素晴らしいインダストリアルドローンなアルバムになってます。これは本当にすごい。

 

 

・Haptic『Abeyance』(2013)

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『Excess~』でドハマりしたわけなんですが、それ以前に買っていたこちらにも徐々にハマってきましてどちらも省くわけにはいかないほど聴いてたので同じアーティストの作品でも気にせず載せときます。こちらは『Excess~』よりかなり抑制されたドローン。というか換気扇の音と薄くリバーブかけたホワイトノイズとサイン波を重ねたような音がずーーーーっと続いて、時たま冷たいトーンのピアノが小さな音で加わるっていうただそれだけの40分。最初聴いたときはふーんって感じだったんだけど、なんか気付いたら聴いてた。疲れてなんも聴けねぇよって時でもこれは聴ける。自分にとっては常用薬みたいなアルバム。Youtubeにフルであるので是非。割合としては高くないだろうけどこれめちゃくちゃ好きっていう趣味傾向の人一定数いると思うし、そういう方にとっては必携の一枚になり得る作品だと思います。

 

 

・Joseph Clayton Mills, Deanna Varagona, Carrie Olivia Adams『Huntress』(2014)

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・Thomas Ankersmit『Live In Utrecht』(2010)

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私の2015年はこの作品から始まりました。感想はこちら(張り切って1月7日に書いてますねw)

 

 

・Fabio Selvafiorita / Valerio Tricoli『Death By Water』(2011)

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・John Wiese『Circle Snare』(2009)

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ジョン・ウィースは名前は知ってるし音源も全く聴いたことないわけではないんだけどいまいちピンときてない作家、だったんですが、2015年作『Deviate From Balance』で完全にブチ抜かれましてライブまで観に行き、そんでライブ会場で本人から買ったのがこれ。本作は様々な作風の曲が収められている『Deviate From Blance』の中でも特に自分がかっこいいと思った要素のみで構成されたような一枚で、トータルタイム30分ってタイトさもあって、これ買ってからはこちらばかり聴いてました。実際にテープ加工で作られてるかは定かではないですが、逆回転する感じや暴力的な変調、そしてそれらが引き裂かれるように「ビィャーー!!」ってなるとこなんかはなんかそれっぽい感じしますね。聴いてると音っていう目に見えないはずのマテリアルが、目の前で紙屑のように丸められたり、引き裂かれて左右に散らばったりするような手触りが感じられるんですけど、その紙屑は実は薄い金属板で、それを丸めた彼の手は気付いたら肉が裂けまくって血まみれ…みたいな異様な生々しさまであって、最高すぎてゾッとするなぁ~。でもこの作品の、そういった“目の前で起こっていること”のみを強く意識させるというか、聴取する側の視点がその一瞬一瞬の音の快楽性にフォーカスしたようなミクロな視点に(いつの間にか)立ってしまう感じって、実は、時間が経過するにつれて音がどんどん大袈裟に歪んでいって、最初のほうは左右センターを行き交って明滅するように鳴ってた音が最後のほうでは三点同時放射みたいになる瞬間もあったりっていう、構成の面だったり音の質感の遷移だったりへの意識、いわば制作側のマクロな視点によって成り立って(しまって)いるというか、全部計算ずくでそう仕向けられてる気がして、なんというか質の悪い巧妙さみたなもの感じますね。この人うまく人殺せるんじゃないかな(笑)

 

 

・John Escreet『Sabotage And Celebration』(2013)

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2015年に聴いたジャズ系の音源で一番の収穫はこれだったかな。今年はJTNCとかMikikiでも書いてる北澤敏さんの推してるものとか中心にメインストリームな(?)コンテンポラリージャズを結構聴いてたんですけど(他にはDonny McCaslin, Maria Schneider, Mark Turner, Kurt Rosenwinkel などもよく聴いてました)、この作品には本当に驚かされました。ジョン・エスクリートはこれを聴く前に『Exception To The Rule』『Consequences』『Sound, Space And Structures』って順番で聴いてて、中でも『Consequences』は特に好き、でもちょっと聴いてて疲れる感じというか肩肘張って演奏してる感じが苦手かなって思ってたんですけど、このアルバムはピアノトリオ+1or2管っていうオーソドックスな編成が多かった過去作と比べて、同じく二管のクインテット編成を基本としながらも、そこに曲によってストリングスやブラスセクションを絡めたり、ギターやコーラスなども演奏に加わったりする割合手の込んだ作風になってるにも関わらず、以前から感じていたそういった問題点は完全にクリアされてて通しで聴いたときの聴き心地のよさは段違いな印象。この辺は録音の質感の違いも大きいのかも。デビューアルバムの頃からフリー/アヴァンギャルドな面を巧みに組み込んだ演奏や全体の構成のセンスは変わってないと思いますし、また作品によってはインタールード的なトラックを配したりもしていたので、一枚のアルバムとして総合的な強度を持った作品を作りたいって思いはずっとあったんじゃないかと推測できるんですけど、個人的にはその方向性は今作で極まった感があるなと。次作『Sound, Space And Structures』ではちょっと違った方向に舵をきってるし、本人的にも今作にはかなりの手応えがあったんじゃないかなぁ。収録されている7曲(1曲目はイントロ的なトラックなので実質6曲)は本当にどれも聴きどころだらけで、1曲づつ細かに触れていくと長くなりすぎるのでやらないけど、全体通して特に感じたのは作曲とパートの構成の巧みさ、そしてなにより編成上それらの土台を形づくることになるJohn Escreet(p), Matt Brewer(b), Jim Black(ds) っていうトリオの強固さですね。二管のデヴィッド・ビニーとクリス・ポッターがどれだけ吹きまくっても曲の枠組みたいなものが全く崩れないのが恐ろしい…。ジム・ブラックのドラムってこれ聴くまでは音が硬くてかなり苦手で、これはジョン・エスクリートの演奏にも同じように感じていたことなんですが神経質でキツい印象があったんですけど、今作ではマイナスとマイナスかけたらプラスになるじゃないですけど、とにかくめちゃくちゃハマってるんですよね。1曲だけピアノトリオでの演奏が収録されてるんですけど、それもこのトリオで1枚アルバム出してくれって思わせられるほど抜群にかっこいい。ポスト印象主義(?)的というかメシアン辺りを連想させるようなモチーフ、和音、アルペジオと、瞬間的にはセシル・テイラーさえ連想させる鍵盤上で踊り狂うような上昇する音型や強打を巧みに行き来するとんでもないポテンシャルのソロが聴けます。前述したような“行き来”が曲のパート構成全体に反映されたような3曲目のタイトルトラック、そういった分かりやすく言うと現代音楽に近いようなシリアスさと対を成すような明るいフュージョン寄り?な5,7曲目(エレピの使用やギターやブラスセクションなどの参加も効果的)、これぞコンテンポラリージャズって感じの曲がりくねったテーマの決まり具合から二管のテンションの高いソロまで文句なしにかっこいい2,6曲目と、タイプの違う曲の収録バランスもいいし、ほんと“完璧”と言って差し支えない作品だと思います。とにかく最初から最後までアルバムトータルで一瞬たりとも退屈させない素晴らしさで、そういった意味ではSteve Lehman Octet『Mise en Abîme』、Ingrid Laubrock Anti-House『Roulette of the Cradle』なんかと並べたくなる出来栄え。一枚のアルバムってものを価値の単位として重要視するというか、物語性とは限らないんですけど、名曲がいくつかあったりテンションにムラがあるよりは、粒が揃ってるものを求めてしまうのってロックリスナー的な視点なのかなって思ったりもしますし、特にフリージャズなんかはライブ感というかテンションのムラ込みで楽しむって面もあると思うんですけど、やっぱ個人的には録音作品を聴く喜びを一番感じられるのってこういう作品に出会った時なんですよね。なので音楽を一回性よりも再現性ありきで楽しまれる方、特に一枚のアルバムを繰り返し聴いてじっくり細部を噛み砕きながら楽しむのが好きな方には是非手に取ってもらいたい。プログレ好きな方にもいいかも。あとこれは余談なんですが、3曲目「Sabotage And Celebration」で冒頭のピアノの和音の後に入ってくるストリングスの和音(おそらくピアノとユニゾン)と、RadioheadHow To Disappear Completely」の冒頭で鳴らされるストリングスの和音がかなり近い(音とって調べたわけではないので印象論です)んですけど、そういえばその時期のレディオヘッドもオンドマルトノの使用だったり「Pyramid Song」の不可逆リズムだったりメシアンを連想させる部分は多いんですよねー。コンテンポラリージャズとレディオヘッドの関係って個人的にかなり興味惹かれるところなんですけど、それを考えるときにメシアンの音楽だったり和声感ってのはかなり重要なブリッジになりそうだなとか思ったり。

 

 

・David Binney『Graylen Epicenter』(2011)

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デヴィッド・ビニーの作品はこれ含めて5作ほど聴いてるんですけど、これはヴォーカルが入ってたりツインドラムの曲があったりで、特にやりたい放題やってやった一枚って気がします。トータルタイム70分超えで参加メンバーも多いので最初は面食らったんですけど、曲調は明るめでフォーキーな曲もあるし、グレッチェン・パーラトの歌声も爽やかなのでアルバムとしての風通しは意外と悪くないです。それぞれに違ったタイプの見せ場が用意された様々な曲が入ってるんですけど、個人的には1,2,3,9曲目辺りが好きですかね。特に1曲目「All Of Time」の冒頭の息の長いテーマから繋がって、単音のリフのしつこい繰り返しにツインドラムが絡む場面と、9曲目「Any Years Costume」の中盤辺りでトランペットとピアノのアグレッシブなソロが並走するところにツイ(ry~な場面とか最高。1曲目のそれはいつまでも続けてくれってくらい二人のドラマーのやり取りが面白いし、9曲目はただでさえめちゃくちゃスリリングなコンテンポラリージャズ(この曲のAmbrose AkinmusireとCraig Tabornヤバすぎる…!)なのに+α的に聴きどころが上乗せされてる感じで聴覚上立体的にすら聴こえるし…ほんと贅沢なことしやがります。2曲目のタイトルトラックは曲調自体は牧歌的なんですけど、1曲目以上にいくつものもはやプログレッシブといっていいくらいの展開が用意されてて、この雰囲気的に聴き流せそうなタイプの曲になぜにそれほどまでに凝りに凝ったことするのかワケがわからない何考えてんだって感じ(笑)。1曲目と2曲目聴けばこの人のいち奏者としてではなく、トータライザーとしてのヤバさみたいなところはわかってもらえるんじゃないかと。頭ん中どうなってんだよ。んで3曲目「Equality At Low Levels」はいち奏者、ソロイストとしての魅力が出てるんじゃないかなと。サックスとピアノが短いソロを交互にとるってのを延々やってる曲で、だんだん音数増えて演奏が加速度的に熱を帯びていく感じがいいです。デヴィッド・ビニーのソロって、この曲に限ったことではないんですけど、外した音をわざと目立たせるような音数の少ないところから始まって、坂道を転がっていくように徐々に加速していくように音数増えていって最終的に停車線思いっきりはみ出すみたいに勢い余って吹きすぎるっていうのが多い気がします。前掲の『Sabotage And Celebration』の2曲目とかそんな感じだし、この曲でも最後のほうはそうなってる感があるんですけど、交互にソロをやりとりするってかたちにそれぶち込んでくるこの人もこの人ならそれに平然と応えてるクレイグ・テイボーンもやっぱどうかしてる(ぜw)。他の曲もいろいろ面白いんですけど長くなるんでこの辺で。飽きないっていうよりは単純に情報量多くて消化に時間が掛かるって意味で長く楽しめる作品なので、金欠な人にオススメです(笑)

 

 

・Ambrose Akinmusire『The Imagined Savior Is Far Easier To Paint』(2014)

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・Tyshawn Sorey『Alloy』(2014)

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・Mary Halvorson Trio『Ghost Loop』(2013)

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2015年のメアリー・ハルヴァーソンといったらギターソロアルバム『Meltframe』なんですけど、私はそちらが出たのと同じタイミングでこれを入手してしまい、結果こっちばかり聴いてました。John Hebert(b), Ches Smith(ds) とのトリオでは2枚目になるアルバム。この人の音楽は何度聴いても聴き切れなさが残るというか、再生中は結構手応えみたいなものを感じれるんだけど、終わってちょっと時間がたつとどんな音楽だったかうまく思い出せなくてまた聴いてしまう。みたいなことが多いんだけど、このアルバムは1枚目の『Dragon's Head』よりもその感覚が強くなってて、不定形の音楽度合がすごいことになってる。まぁ単純によくわかってないから聴くのを止められないだけかもしれませんけど(笑)。しっかりと作曲された非常に記名性の強い旋律部とそれにある程度基づいているようにも聴こえる即興の部分からなりたってるんですが、作曲と即興をグラデーショナルに、まるで溶けていくように行き来するものだったり、それらの切り替え部分が割合しっかりと見えるものだったりがごちゃ混ぜに入ってるのが捉えどころのなさに繋がってるのかなぁ。でもその塩梅が取り付く島もないってほどでは全然ないところが絶妙。構成はオーソドックスと言えそうなものもあるのでむしろすぐに記憶できてもおかしくないタイプの音楽だと思うんだけど…う~んやっぱなんかその辺魔術めいたものがこの人にはあるんじゃないかと思ってしまう。

 

 

Q-Tip『Amplified』(1999)

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ATCQでおなじみすぎるQ-Tipの1stソロ。1999年作。これは今年になって初めて聴いたものではないんですが、なんとなく聴き返したらとんでもなくハマってしまったので。ほとんどの曲をQ-TipJ Dilla(この時点ではJay Dee)が共同でプロデュース。私はJ Dillaが関わった作品ではSlum Village『Fantastic, Vol. 2』がダントツで好きな人間だったんですが、今聞かれたらこっちって言っちゃいます。まぁ大した数聴いてないんですけどね。ATCQの諸作よりも好き。シンプルで、押しの強い華やかさは控えめだけどどれも佳作揃いのトラックの上で、クセもあるけどスムーズで、彩り豊かなのに淡々と流れていくQ-Tipの不思議なラップが存分に楽しめます。客演が続く最後の2曲はちょっと余計な感じもあるんですが(できれば客演なしでいってほしかった…)、それを除いた曲がどれも本当に甲乙つけがたいくらい好き。そんな中でもハイライトを挙げるなら7曲目「All In」かな。この曲のスネアの入り方がなんか異様にかっこいい。その音色も正にディラ!って感じの抜けのよさだし。全体的に遊び心よりはミニマルな構成美を感じさせる作風で、収録時間も長くないですし、歴史に名を刻むような名作っていうよりは粒ぞろいの佳作って形容が似合うような作品なんですけど、それゆえに本当に飽きないですし、いくらでもリピートして聴けてしまうような身軽さがあって、聴いてるだけでゴキゲンになれる最高に心地いいアルバムです。

 

 

Loren Connors『Airs』(2015年再発。オリジナルは1999年)

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・HIsato Higuchi『2004 11 2005 4』(2005)

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・France Jobin『sans repères』(2014)

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感想はこちらに。France Jobin好きでこれチェックしてない人はひとつ大きなものを見落としていると言える。かも。

 

 

・Klara Lewis『Ett』(2014)

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Megoから2014年にLPとデジタルで出てた作品。ちなみにこの人WireのGraham Lewisの娘さんらしいです。これはなんというかめちゃくちゃ傑作って感じでもないんですけど、なんかよく聴いたんですよねー。環境音うまく使ってる感じとか、ダークさと無機質さが程よい温度感でアルバム全体に流れてる感じとか絶妙で、気軽に聴けちゃうのがいい。ライブも観に行ったけどなかなかよかった。「Shine」は名曲。

 

 

・Sviatoslav Richter『Brahms: Piano Concerto #2, Piano Sonata #1』(1988)

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リヒテルは今まで自分にとってそれほど特別な演奏家ではなかったんだけど、知人の紹介でいろいろ聴かせてもらったりしたおかげで今更ながらこの人の凄さに少しは気付くことができました。クラシック音楽はここ数年はほとんど聴いてなくて、好きな曲とかも固まってしまってた感じだったんですけど、今年は新しく好きな曲がいくつかできたのも嬉しかった。シマノフスキピアノソナタ2番バルトークピアノ協奏曲2番シューベルトピアノソナタ21番、そしてこれに入ってるブラームスピアノソナタ1番リヒテルの演奏に触れてなかったらこれほど好きになれてたかどうか…。すでに好きだった曲においてもファーストチョイスになりそうな演奏にも結構出会いましたし(ショパンバラード3番、大好きなドビュッシーの版画、そしてこれに入ってるブラームスピアノ協奏曲2番など)、本当にこの方面でこれほど収穫を得ることになろうとはって感じです。多謝。

 

 

・Tom Lawrence『Water Beetles Of Pollardstown Fen』(2011)

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今年はフィールドレコーディング系の音源はそれほど新しく買ったりはしてなくて、聴きたくなったらクリス・ワトソンばっかり聴いてたんですけど、これはすごく良かった。沼地で録音した水中生物のコミュニケーション信号を捉えた作品とのことなんですけど、聴いてるぶんには虫や鳥や蛙の鳴き声をピッチダウンしたような音が大半で、そのやや曇った質感がすごく落ち着きます。それほど新しく買ってないって書きましたけどこれ出してるGruenrekorderってレーベルのはいくつか買って愛聴してましたね。Andreas Bick『Fire And Frost Pettern』はこれと甲乙つけがたい名作だと思うし、2015年作のHafdís Bjarnadóttir『Sounds Of Iceland Íslandshljóð』も良かった。

 

 

・Various Artists『Compilation ろ』(2008)

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NHK'Koyxeи名義でも活動するMatsunaga Kouheiの自主レーベルFlying Swimmingからリリースされているコンピレーションアルバム。Rashad Becker, Haswell & Hecker, Trevor Wishartの曲を収録。ラシャド・ベッカーの音源は貴重だし内容もいいんですけど、それ以上なのがHaswell & Heckerのライブ音源。10程度の1曲のみなんですけど、Russell Haswellのノンアカデミックな感じの暴力性とHeckerのちょっと頭でっかちすぎてなんかすごいことやってるんだろうけど聴覚上やや面白みに欠けるところがうまい具合に合わさって、個人的に凄く好みな演奏になっててこの曲だけかなり聴きました。Russell Haswellは今年になって聴いた『Live Salvage 1997→2000』もめちゃくちゃかっこよかったんですけど、ちょっと自分には重く感じるところもあるかなぁ…。まぁ気分次第でそっちがいいって時も全然あるんですけど。Haswell & Heckerにはこの感じで1枚アルバム作っといてほしかったなー。『Blackest Ever Black』って共作アルバムもあるんだけど、それはこれとは違った作風だし…。

 

 

以上20枚。どれも本当に素晴らしい作品でした!これで2015年のまとめは終わり!