福岡の春吉にあるTagstaにて、開催中のテイラー・デュプリーの写真展に併せたライブイベントotonohaに行ってきました。
Pianaさん、Moskitooさんといった12kつながりのアーティストもブッキングされていて、写真展、ライブともに福岡のみでの開催とあってちょっとした贅沢。
今回は中でも特に感銘を受けたMoskitooさんについて。
出演者の中でも一際ゴチャゴチャした卓上から生み出される音。
主に使用されていたラップトップとギター+エフェクターのほかにも、声やPittsburgh Modularのシンセ、ハーモニカやピエゾマイクなども用いて、それらをミキサーで滑らかに、しかし時には大胆に切り替えながらの演奏は、イベントの色に沿ったアンビエント寄りなものでありながらも展開に富んだものでした。
アンビエントな音楽をライブで聴く場合、その音楽の特質である展開の少なさであったり存在の希薄さから、(その音世界にある種没入できた時はいいのですが、そうでない場合)「生で聴く意味」をネガティブな方向で考えさせられてしまうこともあるのですが、
Moskitooの演奏はアンビエントな浮遊感やまどろみを維持しながらも、それが決して退屈に転化しないような気配りが随所に効いていて、驚くほど「生で聴く意味」をポジティブに、感じさせてくれました。
ご本人も演奏の合間に少し話されていましたが、特に2000年代半ば以降アンビエント/ドローンへと傾いた12kの中にあって、浮いた存在であり続けているその素質、世界観が、今回のライブではとてもプラスに作用していたなと。
アンビエントという音楽の性質上、ライブという場の集中や緊張の眼差しとは必ずしも折り合いが良くないというか、(これは単に私がライブ慣れしてないだけかもしれませんが)聴衆の立場としては普段自室で聴くようにぐうたらな精神状態で流し聴きすることもできず、そこは演奏する側も苦慮するポイントであるように思うのですが、そんな問題点を丁寧にクリアした理想的ともいえるパフォーマンス、お見事!
テイラー・デュプリーの写真展は1/29日まで開催されているのでお近くの方は是非。
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