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リリース情報:Akito Tabira『Radio Tower』

12/18に日本のアンビエント・レーベル梅レコードより、長崎市を拠点にアンビエント制作やテクノ~ハウスのDJなどマイペースに音楽活動をされているAkito Tabiraさんの新作『Radio Tower』がリリースされました。

本作において私(Shuta Hiraki)はトロンボーン、声、打楽器類などの演奏にて参加しております。是非ともお聴きください。

 

 

 

作品の詳細についてはTabiraさん本人からのメッセージがありますので、転載しておきます。

 

長崎は段々と寒くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
12/18にアンビエント・カセットレーベルの梅レコードより『Radio Tower』(ume019) / Akito Tabiraがリリースされることになりました。
梅レコードのBandcampにてデジタルとカセット+デジタルの販売形式になります。

 

umerecords.bandcamp.com/album/radio-tower

長崎の佐世保湾大村湾の間に浮かぶ針尾島に建つ針尾送信所電波塔。
その130mもある塔内で演奏した素材や物音、近隣でのフィールド音などを素材に、電子音の演奏などをレイヤーし編集を経て作品化したものになります。
塔の内部は上に高く空洞になっており、鳴らした音が渦巻くような不思議な空間でした。上部に巣があるのか、塔内には鳥の鳴き声も響いていました。
2020年11月26日、友人で音楽家でもあるShuta Hiraki君と共に訪れ、数時間に渡ってトロンボーンメロディカ、声、物音などを録音。響く音に耳をすまし、塔の上部に吸い込まれて消えていく音を身体全体で観察するような時間でした。
帰宅後、録音したものを改めて聴いてみると、自分たちの出した音なのですが、そこから微かに祈りのような何かが感じられました。
何に対しての祈りなのか? 想像と史実が一致するとも限らないし、「場」と人と時間の痕跡から物語を作り出しただけかもしれません。
穏やかな海と田畑のある小高い島の景色にそびえる3本の巨大なコンクリートの建造物。
軍事施設としての側面は過去になり、建造から100年経った2022年は観光施設としてライトアップの催しなども行われていたようです。
アンビエント的な視聴に向いているのか問われるとわかりませんが、その場の演奏/物音などをノンエフェクトで(できるだけ空気感を損なわないかたちで)残した「Three」を含むAサイド、バリエーションとしての電子音主体のBサイド、それぞれ3曲の計6曲になります。
梅レコードの「特定の時間と場所に根ざした新しいスピリチュアリティにインスパイアされたレーベル」というコンセプトに惹かれデモ音源を送らせていただき、今回のリリースになりました。
レーベルの中で今のところ唯一のモノクロジャケットになり、一般的なアンビエントの側面であるリラックスやチル的な印象よりは、空虚さや寂しさも感じられるような作品だと思います。「場」と「記録」に何を感じたのか、耳をすまし聴いていただければ幸いです。

 

Music & Photography: Akito TabiraDesign: Zefan SramekMastering: Jared CarriganAkito Tabira: Electronics, alto melodica, bell, etc.Shuta Hiraki: Trombone, voice, melodica, kalimba, etc.Samples recorded at: 針尾無線塔(旧佐世保無線電信所)/ Hario radio tower and七ツ釜鍾乳洞 / Nanatsugama limestone caveNovember 26th, 2020

皆様も体調などお気をつけて、慌ただしいとは思いますが穏やかな年末年始をお過ごしください。