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名古屋の音楽&薬草バー スキヴィアスに行ってきました。

 

名古屋の音楽&薬草バー スキヴィアスさんに行ってきました。

 

日程上1時間ほどしかお店に居ることは出来なかったのですが、店長服部さんに面白い音源を次々かけていただき刺激に富んだ時間をおくることができました。

なので以下にそれらの音源を(覚えている限りで)一通りまとめておきたいと思います。

では早速、

 

 

hofli『Lost And Found』

LOST AND FOUND

LOST AND FOUND

 

 店内に入った際にかかっていた盤。フィールドレコーディングからアンビエントを横断したような開放的な音。ジャケットのデザインやパッケージの造りにもこだわりが感じられます。

 

・津田貴司『湿度計』

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上記hofliのこちらは本名名義での作品。2007年作の、2014年再発盤。アルバムタイトルから曲名まで日本語で統一され、まっさらなジャケットともに洗練された印象を残すコンセプチュアルな作品。

 

・Francisco López『Through Looking Glass』

Through Looking Glass

Through Looking Glass

 

 ベテラン音響作家によるアンソロジー的5枚組。ロペスは上半期ベストにも挙げた『Untitled #290』で初めて聴いて以来、次にどれを聴こうか迷っていたので、この機会に指針を得たのは大きかった。ブックレットのアングラポストパンクのような写真がインパクト大。

 

・Simon Whetham『Mall Muzak』

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様々なレーベルからフィールドレコーディングを中心に多くの作品をリリースしているSimon Whethamによる、ベルギーのUnfathomlessからの作品。大胆な加工によって生まれた、厚く無機質なドローンがかなりいい。Unfathomlessはいくつか聴いていて、どれも高品質なフィールドレコーディングでしたが、こちらは未聴だったうえ、ちょっと違った趣向の作品で興味深かったです。

 

・Gilles Aubry & Stephane Montavon『Les Ecoutis Le Caire』

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ドイツのレーベルGruenrekorderから。今回かけてもらった音源の中でも際立った印象を残した一枚。独特な質感を持ったフィールドレコーディング作品で、いくつかの空間の音が重なっていながら、独立に鳴っている印象があまりなく、少しくすんだような音の質感が、非現実的な鳴りを生み出していました。店長服部さんによると、テープ加工によるものでは?とのことで。Gruenrekorderは以前から注目しているレーベルで、最近入手したMerzouga『52°46’ North 13°29’ East – Music for Wax-Cylinders』も不可思議な音響コラージュで素晴らしかったのですが、ここにきてそのヤバさを再認識することに。

 

・Various Artists『Anthology Of American Folk Music (Edited By Harry Smith)』

Anthology Of American Folk Music (Edited By Harry Smith)

Anthology Of American Folk Music (Edited By Harry Smith)

 

 著名な音楽収集家Harry Smithによる戦前ブルースのSP盤音源コレクション。リリースはSmithsonian Folkways。ヨレた質感で奏でられる、地に息ずく語り、音楽。この辺りの発掘音源の世界には疎いのですが、意外に(?)親しみやすい音と、手の込んだパッケージや、もはや資料とでも呼べそうな収録冊子から惹きつけられるものを感じました。Amazonなどで容易に手に入るのがまたいい。

 

・Various Artists『Hawaiian Drum Dance Chants: Sounds Of Power In Time』

Hawaiian Drum Dance Chants: Sounds of Power in Time

Hawaiian Drum Dance Chants: Sounds of Power in Time

 

 同じくSmithsonian Folkwaysより。典型的なユルいハワイアンのイメージとは離れた、力強いドラミングとチャント (のみ!)が収録されています。初期ヒップホップにすら聴こえるその音像にヤラれました。

 

・Steve Roden『I Listen To The Wind That Obliterates My Traces』

I Listen to the Wind That Obliterates My Traces

I Listen to the Wind That Obliterates My Traces

 

 サウンドアーティストとして著名なSteve RodenによるSP盤音源コレクション。前掲2枚と比べると比較的整った音質で、アンビエントとしても機能しそう。

 

 

以上、駆け足で紹介しました。

 

 

スキヴィアスさん、今回初めてお訪ねしたのですが、非常に収穫が多く早くも次に伺うのが楽しみに。決して広いスペースではないですが、感じのいい店内で店長さんも親しみやすく話してくださるので名古屋に行かれた際は是非。こんなブログ読んでる物好きな方なら面白い体験ができると思います。