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リリース情報:Shuta Hiraki『Lyrisme M​é​t​é​orologique』(2024, Tokinogake)

近年精力的に国内外の様々な作家を独自の視点や繋がりで取り上げ、電子音楽実験音楽をメインにリリースを重ねる日本のレーベル「時の崖」より、私の新作『Lyrisme M​é​t​é​orologique』がリリースされました。

 

 

近年取り組んでいるシュルティボックスの演奏とそれに反応するようプログラムされたシンセサイザーの連携による作品集です。タイトルはジョルジュ・ペレック『人生 使用法』の中の一節より。

 

印象的なアートワークはSuperpangのカタログや昨年落合Soupにて行われた「Tokinogake Night」のフライヤーも担当してくれたJoe Gilmoreによるもの。本作ではメインアートワークだけでなく、曲ごとにも個別のイメージが貼り付けられているため、聴きながら眺めたりしていただけると幸いです。
マスタリングは秋葉原重工役員として音楽活動を展開されているKURAYAMIさん。更にアルバムに寄せて時の崖の運営にも携わっているpeeq (Yoichi Ichikawa)さんによるテキストもBandcampページに掲載されております。

 

 

以下は作者自身によるアルバムの概要です。

このアルバムは私が2022年の末から継続的に試行しているシュルティボックスとシンセサイザーを用いたライブパフォーマンスから生まれた最初の集成です。私はこのアプローチを昨年9月に開催された「Tokinogake Night」でも披露し、イベントに先んじてリリースされたコンピレーション・アルバムにも同様の方向性の楽曲「Lyrisme Météorologique 1」を提供しました。
今回のアルバムにはライブでの経験や「Lyrisme Météorologique 1」の作風を踏まえて、最終的に自宅で演奏/録音された8つの楽曲が収録されています。 これらの楽曲では、シュルティボックスのサウンドからピッチトラッキングを用いてMIDIノートを生成し、その信号をシンセサイザーの発音やモジュレーションに活用することで、シュルティボックスとシンセサイザーのコール&レスポンスを実現しています。 シンセサイザーはシュルティボックスの演奏に対し、様々な和音で応答するように設定されており、固定された一つの和音を発し続けるものもあれば、数十種類からランダムで選ばれたパターンを発音するものもあります。また同じ和音を発し続ける場合でも、シュルティボックスから新たなノートを受け取るたびに音色のパラメータやオシレーターの種類が切り替わるように設定されているため、結果的にシュルティボックスの演奏は常にシンセサイザーサウンドの変化を誘発することになります。 加えて、シンセサイザーサウンドには近年の私の調律やハーモニーへの関心が反映されています。楽曲によって、独自の純正律テトラコードの応用、敬愛するジャズミュージシャンが用いたコードプログレッションへのオマージュなど、異なるアプローチが採用されており、シュルティボックスのサウンドに対して別の秩序に基づいた異物が混ざり合うことで、音響的な「まだら」、もしくは新たな調和を生むことを目論んでいます。

 

日本時間で本日9/6の16:00から24時間はBandcamp Fridayですので、この機会にサポートいただけますと大変ありがたいです!私にとって久々のアルバムリリースでもありますので、是非ともよろしくお願いいたします!!