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レビュー

BEST OF 2018

遅くなりましたが2018年の年間ベストです。25作選んで順位を付けました。カウントダウン方式なので順位が上のほうだけ見たい方は目次から飛んでください。画像をクリックすると試聴などが行えるページへ飛べます。ページ最下部にはプレイリストもあります。…

ジム・オルークの『Steamroom』を聴く

ジム・オルークがbandcampにてリリースしている『Steamroom』シリーズは、これを書いている2018年11月の時点で42作がリリースされている。その内容は大雑把に分類するならリリースの直近の期間に制作された新録音源、過去の作品をデジタルアルバムとしてリリ…

『ワールド × ジャズ』私の9選

世界の音楽情報誌『ラティーナ』の2018年9月号に掲載されている特集「ワールド × ジャズ 今聴くべき66枚」が世界の各地で多様な変化を遂げている現在のジャズを手広く紹介していてとても面白かったので、私も便乗して好きな作品を9枚選んでみました。 ただそ…

パーカッション × エクスペリメンタル =?? 現在の実験/即興シーンにおけるパーカッションの多様性を示す音盤20選

パーカッションの音色っていいですよね。例えばシンバルの金属的な倍音のうねり、例えばガムラン楽器やクセナキスのSixxenなんかの独特な調律と音色が生み出す冷たくもメディテーティブなサウンド、例えばライヒの楽曲における延々と聴いていても聴き飽きな…

Dan Weiss『Starebaby』

Dan Weiss (drums, compositions), Ben Monder (guitars), Trevor Dunn (electric bass), Craig Taborn (keyboards, piano), Matt Mitchell (keyboards, piano) NYを拠点に活動するドラム/打楽器奏者ダン・ワイスの4作目(?)となるリーダー作。 前々作『Fou…

Paul Bley『Ballads』

カナダ出身のジャズピアニスト、ポール・ブレイがアネット・ピーコックの曲をトリオで演奏した作品。共演はドラムにバリー・アルトシュル、ベースはゲイリー・ピーコック(1曲目)とマーク・レヴィンソン(2,3曲目)。1967年録音。 トリオでの演奏ですが、ブレイ…

András Schiff『Beethoven: The Piano Sonatas, Vol. 8』

ハンガリー出身で世界的に活躍するピアニスト、アンドラーシュ・シフ。彼がECM録音にて2008年に完成させたベートーヴェンのピアノソナタ全集より、こちらは後期の第30,31,32番を収録したディスク。 この3曲は作品番号のうえでもop.109,110,111と連なって発表…

Vijay Iyer Sextet『Far from Over』

主にStephan Crump, Marcus Gilmoreとのトリオでの活動によって現代のジャズシーンで独自の存在感と高い評価を受けているピアニスト、ヴィジェイ・アイヤー。 2014年からはECMとの契約の下、弦楽を従え作曲に重きを置いた『Mutations』、先述のトリオによる…

Kazuya Ishigami『A-Z-B-Men』

ミュージック・コンクレート、アンビエント、ノイズなどを跨ぐ音楽性で大阪を拠点に精力的に活動する音楽家、石上和也の作品。 30分、10分、30分の3曲入りでトータル70分超えという思い切った構成。石上さんの作品はトータルの収録時間が1時間を超えるといっ…

John Butchr, John Edwards, Mark Sanders『Last Dream Of The Morning』

互いに共演も多い三名の即興演奏家による一枚。意外にもこの編成でのリリースは初めてのようです。(過去の共演作としてはJohn ButchrとJohn Edwards、John ButchrとMark Sandersのデュオ盤などがリリースされています。) ジョン・ブッチャー、ジョン・エド…

Kevin Drumm『Elapsed Time』

昨年末に《Sonoris》からリリースされたケヴィン・ドラムの2012~2016年という比較的近年のドローンワークスからセレクトされた6枚組ボックス。初出の音源として紹介されているのも見かけましたがきちんと調べてみるとすべてケヴィン・ドラム自身のbandcampで…

Steve Lehman『Sélébéyone』

先鋭的な現代ジャズのフィールドで活躍するアルトサックス奏者スティーヴ・リーマンの作品。これまでも作品によって編成の大きさや音楽性の変化はありましたが、それらが一応はジャズの土台の上で様々な試行錯誤を行っているように感じられたのに対し、今回…

Tanaka/Lindvall/Wallumrød『3 pianos』

Ayumi Tanaka、Johan Lindvall、Christian Wallumrød、3人の異なるバックグラウンドと経験を持つピアニストからなるピアノ・アンサンブルの初アルバム。現代ジャズ、即興演奏、現代音楽の分野で活動する三者ですが、本作で聴かれる演奏も確実にそれらのバッ…

Raphael Malfliet『Noumenon』

ベルギー生まれのベース奏者ラファエル・マルフリートの初アルバム。共演はどちらもNYを拠点に活動するトッド・ニューフェルド(g)、カルロ・コスタ(ds)。 2016年にリリースされた音源の中でも特に印象深いもののひとつで、また11月に観に行った本作のリアラ…